ラオス、ビエンチャン
埃まみれのラオス革命博物館

1994年5月



ビエンチャン点描
市内を気ままに歩く。
こういう屋台があると、すぐに座って話し込みたくなる。暑いし、ひと息いれたくなる。こんな、のんびりとしたお店もいい。


タイの田舎町のような雰囲気だ。違うのはフランスパンを売っていること。お洒落だなと思ってしまう。

タイ製品が多い。

本場のフランスパンと違って柔らかい。

すぐコーヒーを飲みたがる。
ホテルの近くで。ビエンチャンの街中にはこういった建築物があちこちにある。どうも革命とは縁のなさそうな風景だ。



戦勝記念塔
バンコクにある戦勝記念塔はコンクリート・ジャングルと車の渋滞に囲まれているが、ビエンチャンの戦勝記念塔は本物のジャングルの中にある。塔の上に上ると、ずうーっと緑のジャングルが続いている。



ラオス革命博物館
メイン・ストリートに面した白亜の建築物。太陽の光を浴び、燃えるような暑さだ。革命博物館とフランス語で看板がでている。

玄関はどうしたことか閉じている。横に小さなドアがあったので開けて入る。1階はちょうど、床の張替え作業中だった。工事人はパンツひとつで床の上で眠っている。

これでいいのか。神聖な人民革命党の歴史を展示しているところで、仕事もしないで昼寝とは。マルクスだって、レーニンだって、カイソンだって、そんな姿をみたら、革命の成れの果てだと嘆き悲しむだろう。


ワタシにとっては好都合だ。受付がないから無料で入れる。でも、悪いことをしているような気持ちになる。だって、昼寝している人民を起こしちゃ罰が当たる。足音を忍ばせてあるく。ガラスの展示ケースが一箇所に寄せられている。
2階も無人だ。埃がうっすらとたまっている。ラオスの人々も観光客も訪れないのか。マルクスとレーニンの肖像がわたしをよく来てくれたと微笑む。

写真が多い。パテトラオ女性軍兵士が戦車に乗ってビエンチャンに入ったときの有名な写真もある。色が褪せ、埃がたまっている。赤い殿下として革命に協力したスファヌボン殿下の写真は少ない。革命が成功したら、用済みになったということか。
暑い。汗が吹きでる。空気が淀んでいる。いつもマヒしている頭の働きも余計に動かない。でも周囲の写真は革命に喜び、生き生きとした、輝いた顔つきの娘さんばかりだ。

ワタシとは異なった表情だ。そばには革命に使ったのか、ビストルや銃器も展示してある。ガードマンはいないんだよね。そっと、手を伸ばす。大丈夫。だれも見ている人はいない。銃をつないである鎖を外す。

誇りとビロードのような空気が頭を麻痺させる。大丈夫。見ているひとはいない。
革命博物館はどういう理由か、外国人の写真が多く飾ってある。



バス乗り場



夜はラオス料理と舞踊
舞踊を見ながらの食事。カップルにはいいのでしょうが、ひとりで旅行している者にとっては退屈です。いくらラオの娘さんの踊りでも……。 




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