韓国、ソウル

A 新里門タルトンネを歩く

2011年2月8日



新里門駅へ


地下鉄をいくつか乗り換えて「新里門」駅に行く。



新里門駅到着
駅のホームから見ると、目の前に民家が密集している。タルトンネは民家の方に歩けばいいのだろう。タルトンネとは韓国語で「月の街」という意味だそうだ。山の中腹にへばりついている貧民街。月に近いというのでロマンチックな名称がつけられている。

ホームから見る光景は都市近郊の街といった風情だ。わくわくしてくる。
出口に向ってホームを歩いていると、屋根の上に瓶がのっかている。いかにも韓国の景色だ。生活の匂いが漂ってきそう。



新里門駅を出る。

矢印は歩いたコースです。



出口は一ヵ所だった。
だれもいない。降りた乗客もどこかに行ってしまった。

朝の太陽を浴びながら、さてこの道でいいのかと考える。だが、だれに尋ねればいいのだろうか。一本、坂道がある。そこを歩こう。
人はほとんどみえない。よそ者を受け付けないよと、拒絶しているような雰囲気だ。坂をゆっくりのぼり始める。寒さが襲ってくる。



坂をのぼる。
まだ、道が凍っている。
清掃されている通りもあるが、道の両側にゴミが散乱している。
「どうしてタルトンネなんてダーティなところに行くのですか?」
木浦から乗ったKTXで隣の男性に不思議がられた。その言葉が実感となってきた。昨日までは、ソウルは清潔な街だと思っていたのだが、清潔なのは中心部と観光地だけなのだ。

ソウル・オリンピックがあったのは1988年か。20年以上もたったのに、街はきれいにならないのだな。ソウルの周辺部に住む人と、都心に住む人の意識は違うのだろう。

坂をのぼっていく。親子連れがいたりする。声をかけようとしたが、すぐに家に入ってしまう。穏やかな街の表情を期待して歩いているのだが、冷ややかな感じだ。

これから通勤なのだろうか?



清掃車も入ってこられないような道



里門洞の交差点近く
坂をのぼり、また下ると、大通りに出た。
「里門洞はどこですか?」
女性が来たので尋ねる。
「ここが里門洞ですが……」
「あの、タルトンネに行きたいのです」
そう。頷くと左の写真、電柱の前の細い路地を指差した。
「細い道を行けば、タルトンネですよ」
もう一度、坂をのぼる。道幅は狭い。
だが、別世界に来たように、路地は掃き清められている。土地に愛着のある住民が住んでいるような雰囲気だ。

いつもの路地歩きのように、好きなところで曲がり勝手気ままに歩く。人の家に入り込んでしまったようで写真を撮るのがはばかれるのだ。


住民が生活している。そんな路地を歩き続ける。
気ままに歩いているうちに、一帯、どっちに向って歩いているのか不安になってきた。同じような路地が次から次へと現れる。

ひとにはほとんど会わない。こそこそとしているようで嫌になってくる。そのくせ、だれかに見られているようなヘンな気分だ。道に迷ったらいけない。方角を思い出しながら駅へ戻る。



坂を下り、戻る。

ゴミが散乱している。

遠くには団地がある。




駅へ戻る。

廃品回収車のようだ。



新里門駅は近い。

駅で千戸洞までの切符を買おうとした。自動販売機は韓国語しか書かれていない。駅員もいない駅である。電車はやってくるし、間に合わない。焦ってしまった。

駅にやってきた人に尋ねたが、英語は通じない。しばらくすると、若者が来た。彼に千戸洞に行きたいと伝えて、切符を買ってもらった。




タルトンネの新聞記事




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